ライン工場で働いていた頃の話し

僕は、ライン工場で働いた。その時の仕事内容は「横から流れてきたダンボールに貼られた番号を見て、その番号に応じた作業をする」というものだった。たとえば、「3番というダンボールが来たら、箱3に入れる」とか「A番というダンボールが来たら、このテープを貼る」みたいな作業を延々と繰り返した。

最初の頃は「わー、3番の箱だから、えーと何するんだっけ!?」って感じで忙しかった。でも、慣れると、体が勝手に反応するようになる。作業の自動化に成功したわけだ。そうなると、退屈な作業になる。自分が機械のロボットになった気分になる。頭がボーッとしてくる。

あまりにも退屈だから、僕の友人は、音楽を流しながら作業してた。そしたら、偉い人に怒られて、友達はクビになったよ。僕も、しばらくして、作業が退屈だと感じたからやめた。

たしかに、ライン工は、長期間、続けると、人生を無駄にしているような感覚に襲われるけど、短期間なら良い経験になると思う。ずっと、同じ作業をしていると、頭がボーっとしてきて、何も考えない状態が続く。よく知らないけど、「禅」の精神に近い気がする。この感覚を、1度くらいは経験しても良いんじゃないかと思う。

やるなら、1日1時間の作業を20日やるより、2日連続で10時間労働したほうが良いかな。1日1時間だと、頭がボーっとしてこない気がするから。