「あと1歩、負荷をかける」と良い

まず、2つのパターンを考えてみよう。

Aさん:毎日2時間、業務でタイピングをする。

Bさん:毎日2時間、業務でタイピングをして、プラス、毎日10分間、タイピングゲームをやる。

この2人の1年後のタイピング速度は、それなりに差が開くと思う。たった10分のゲーム(あと1歩の負荷)で、タイピング速度に差が出るのだ。

たった10分の練習で、明らかな差が出るのであれば、「10分の練習は、コストパフォーマンスが高い」と言える思う。

なので、「日常生活以外にも、あと1歩の負荷をかけて練習する」のは、とても良い習慣だと思う。

あと1歩の負荷というのは、筋トレでいうところの「過負荷の原理」に近いところがあると思う。筋トレにおける「過負荷の原理」とは、「日常生活を続けていても筋肉を肥大化しないよ。筋肉をつけるなら、日常生活の負荷以上の負荷をかける必要があるよ」ということをあらわした原理。

他にも、「日常生活以外にも、あと1歩の負荷をかけて練習」する具体例を挙げたいと思う。

たとえば、英語力について。

Cさん:毎日、英文を20分読む。
Dさん:毎日、英文を20分読んで、毎日10語単語を覚える。

たぶん、Cさんは、英文に出現する頻度の高い8000語程度は、認知語彙になりますが、1万語レベルの低頻度な英単語は、認知語彙のレベルまで昇華しません。しかし、Dさんは、ボキャビルをすることで、意図的に頻度の低い単語との遭遇(負荷をかけて練習)することで、認知語彙が1万程度になるでしょう。

まあ、認知語彙が約2000語増えることに、どれだけのメリットを感じるかは人それぞれだけど、僕はコストパフォーマンスが高いと思います。

他にも、もう少し具体例を挙げてみます。

たとえば、さきほども出てきたけど、筋トレについて。

Eくん:肉体労働をする。
Fくん:肉体労働をして、週2回ベンチプレスをやる。

2〜3年後、2人の身体を見比べてみると、明らかに、大胸筋の大きさに差が出ているはずです。

肉体労働だけでも、良い身体にはなるかもしれないけど、プラスで筋トレすると、さらに良い身体になる。

これを聞いて、「筋トレは、コストパフォーマンスが良いな!」と感じるかは、人それぞれだけど、僕は筋トレをやりたいと思う。

わずかな「あと1歩の負荷」で、差が出るのだから、日頃から、「あと1歩の負荷」を意識したほうが良いと思う。

日常生活で、触れていても、ある程度の負荷をかけないと、身につかないこともあるんだ。

エクセルのショートカットキーも同じ。

「印刷範囲の設定のショートカットって、どのキーだっけ?」と思うたびに、google検索するのも良いけど、その調子だと、いつまで経っても覚えられない。頻度の高い15個くらいのショートカットは、丸暗記すべき。人によって、何個くらいのショートカットキーを暗記するのが適切かは違うけどね。

ちなみに、エクセルのショートカットは、下記の本の末尾付録が参考になる。この本は、エクセルの作法やフォーマットについて語られている本です。一読をオススメします。

英文法も同じ。

まったく文法問題に触れずに、英文しか読まない人に、『lie(自動詞)とlay(他動詞)の活用は言える?』と聞いても、答えられないかもしれない。こういうのは、文法問題を解くことで、「あ、 “lie” と “lay” って、似ていて紛らわしいな。覚えておこう」と意識する必要がある。

もちろん、重箱の隅をつつくような文法問題集ばかり解いていても、英語力は上がらないけど、最低限の文法事項は、文法問題集を解いたほうが、英語の上達が早いと思う。僕は、「ネクステ」レベルの英文法知識は、文法問題集で練習したほうが良いと思う。まあ、どの程度まで、細かい文法の知識を叩き込むかは、個人の判断に任せれば良いと思うが。

「日常生活以外にも、あと1歩の負荷の負荷をかけて練習する」ということを意識するだけで、2〜3年後、自分の技術や能力に明らかな差が出ると思います。

さて、「あと1歩の負荷」って、どんなのがありますか?